あらすじ
親を亡くし親戚は冷たく、霊感のあるせいで日々霊に絡まれる、絵に描いたように不遇な女子高生、ウンタク。
数百年も生きてきた不滅の存在でありながら、死を願うトッケビ。
ある時霊たちが騒ぎ出す、ウンタクは「トッケビの新婦」であると。
トッケビの新婦とは何なのか、トッケビの願いは叶う日が来るのか。
二人の前に現れた死神は、いつその目的を果たすのか。
とあることから同じ家で暮らすうちに少しずつ惹かれ合う二人に、900年の因縁と運命が降りかかることとなる。
登場人物・キャスト
トッケビ/キム・シン 演:コン・ユ
900年生きているトッケビ。気まぐれに奇跡を起こして人を助けたり助けなかったりする。
不滅の魂を持ち、死にたいと願い続けているが叶わないでいる。
ある日、死にゆくウンタクの母の願いを叶えたことから、ウンタクとの縁が始まる。
チ・ウンタク 演:キム・ゴウン
母に先立たれ、親戚には辛く当たられる不遇な女子高生。
霊が見えることから厄介な目に遭うことも多いが、そのせいで身の回りに不思議なことが起きても割と受け入れる。
ちょっと意地悪だけど優しいトッケビと出会い、翻弄されながらも好きになる。
死神 演:イ・ドンウク
ウンタクの前に現れた死神。死ぬはずだったのに生きているウンタクを監視する。
前世で罪を犯した者が死神になるため、自分の罪を知りたいと願っている。
とある理由からトッケビと同居生活を送り始める。恋愛経験値はゼロ。
サニー 演:ユ・インナ
ウンタクのバイト先の店長。
ルックスの良い死神を気に入り、挙動不審ぶりに混乱しながらも何度も会うこととなる。
ユ・ドクファ 演:ユク・ソンジェ(BTOB)
チョヌ財閥御曹司。遊び人でお馬鹿だが人は良い。
ユ・シヌ 演:キム・ソンギョム
チョヌ財閥会長。実はトッケビが興した会社なので代々トッケビに仕えており、忠実
キム・ドヨン 演:チョ・ウジン
チョヌ財閥会長秘書。非常に有能で会長の要望には120%応える男。
赤い服の女 / 謎の老婆 演:イエル
時折現れる、人外の力を思わせる謎の存在
ネタバレなし感想
最高のドラマだった。
こんなに悲しくてあたたかくて愛おしい物語があるのかよ。
たくさん泣いて笑ってハラハラさせられて、見終わってからもしばらく余韻が抜けなかった。
韓流のお約束展開がなく、洗練されたインテリアやファッション、綺麗に張られて綺麗に回収される伏線、キャスティングの妙、小気味の良いセリフ回しと、およそ欠点がない。
未だにこれを超えるドラマにはお目にかかっていないと思うほど。
詩的でありドラマティックであり、最高にキュートなコメディでもある。
登場人物がみんな魅力的で、無駄なシーンが一つもない。
あらすじだけ見るとシリアス系ラブストーリーだが、さらりとしたユーモアが効いていて、笑えるシーンも多い。全体的に洗練されている。
トッケビは直訳すると「鬼」らしいが、日本の鬼とは違うらしい。よく分からないが、強大な力を持つ神に近い存在という設定なのだと思う。
様々な異能の力を持つトッケビと純粋な少女が少しずつ心を分けあってゆく過程が、丁寧かつ魅力的。本当は寂しくて愛を求めている二人、ゆっくりと花開いてゆく見知らぬ心。そして隠された過去の謎と真実。
それほど美女ではないヒロインはだんだん可愛らしく見えてくるし、トッケビは成熟した男の魅力と、子供じみたところを持ち合わせていて最高。
トッケビの新婦とは何者なのか?
トッケビはなぜこんなにも長い間死ねなかったのか?
死神が生前に犯した罪とは?
少しずつ明かされてゆく謎は静かな絶望を与えてくるが、不思議と二人の恋はあたたかい。
過去の無念と今を生きる苦しみ、ドラマの根底にはそんな密やかな悲しみがずっとあるのに、三人で過ごす日々は例えようもなく輝いて見えた。
謎が少しずつ解き明かされていく過程や、三人の愛情と友情を過不足なく描いた傑作。終わり方はやはりどこか悲しみと燦爛たる輝きに満ちていて、ただそっと目を細めて見守りたくなる。
そして見終わったときには、もう一度初めからこの物語を追いたくなるだろう。
是非色んな人に勧めたい。男性にも、韓流ドラマをあまり見ない人にも。
これがハッピーエンドだとは思わないけれど、これ以上の結末はなかったのだという気もする。
サブカップルもすごく素敵で、こっちはこっちで主人公級のドラマを内包していたと思う。
サブの女優さんが、目を引く美人の設定にしては……? という気がしないでもなかったが、キュートに演じていらしたのでまあいいか、と思えた。
正直、このドラマについてはあまりネタバレ感想らしきものもない。
人に語りたいというよりは、自分の中でかみしめたくなるような作品なのだ。
知り合いに勧めたら知り合いもはまってくれたが、お互いに「いいよね……!!」という語彙力のない感想ばかりを交わしているので、結構そういう人は多いのではないか。
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