夢幻の桃花/三生三世枕上書 登場人物・感想 / 主役二人が好きすぎる

5.0

あらすじ

長く争っていた魔族の長・緲落を東華帝君が封印し、平和が訪れてから3万年後。
九尾狐族の姫・白鳳九は妖獣に襲われたところを東華帝君に救われ、恩返しをしようと東華帝君を追いかけまわす。
その頃東華帝君は緲落の封印にほころびを感じ始め、対抗力確保のため人間界へ修行に行くことにする。恩返しどころか存在に気づいてさえもらえない鳳九もついてゆくことにするが……

登場人物

メインキャスト

白鳳九(バイ・フェンチウ)/小九/九歌/阿蘭若(アランヤ) 演:迪丽热巴(ディリラバ)
九尾狐族の王族の中でも末っ子で、愛されて育ったお転婆なお姫様。
やっと結婚適齢期にさしかかった3万歳ほどの若い神で、血筋よし・器量よしで当然モテるが、よりにもよって完全無欠の東華帝君に恋をしたせいで他の男など全く目に入らなくなる

東華帝君(トンファ)/宋玄仁/息澤/沉曄 演:高偉光(ガオ・ウェイグァン)
30万年以上生きているという、長寿な神族の中でも最高齢の古神。
強大な力から天地を統べ守る主だった。今では隠居しているものの、まだ神族の要とも言うべき存在。
達観しており些末なことには心を動かされないため、自分を慕う鳳九のことにもしばらくは気づきもしない。袖にした女は星の数

天族

連宋(リャンソン) 演:李東恒(リー・ドンホン)
天帝の第三王子で、東華帝君と親しい。成玉が好きであの手この手でアプローチしているが、迷惑がられている。

成玉(チェンユー) 演:袁雨萱(ユエン・ユーシェン)
鳳九の友達。やたらと絡んでくる連宋を鬱陶しがっているが、まんざらでもないところもある

司命(スーミン) 演:王驍(ローレンス・ワン)
人間の運命を司る神。連宋と親しい。苦労性

重霖(チョンリン) 樊治欣(ファン・ジーシン)
東華帝君に仕える仙官。真面目で有能

夜華(イェホア)※名前のみ登場
天族の皇太子で白浅の婚約者。阿離の父

阿離(アーリー) 演:張茗灿(チャン・ミンツァン)
白浅と夜華の息子

折顔(ゾイエン) 演:陳楚河(バロン・チェン)
鳳凰族で、狐帝(白止)と同世代。医術の腕は随一。白真と親しい

知鶴 演:王一菲(ワン・イーフェイ)
東華帝君の義妹のわがまま公主。東華帝君に恋しているが相手にされていない

魔族

姫蘅(ジーホン)/楚宛 演:劉玥霏(リウ・ユエフェイ)
魔族の姫。父親が東華帝君の部下だったため、東華帝君の庇護を受ける
やることなすこと空回り気味

燕池悟 演:劉芮麟(リウ・ルイリン)
姫蘅に恋する、魔族の君主の一人(青魔君)。単純で明朗快活、鳳九とも仲良くなってしまうイイ奴だが女を見る目だけはない

緲落 演:張雯(チャン・ウェン)
魔尊(元魔族の長)。東華帝君に封印されたが少しずつ力を取り戻しつつあり、復活をもくろむ。
東華帝君は愛憎の対象であり執着する

聶初寅 演:戴向宇(ダイ・シャンユー)
魔族の君主の一人(玄魔君)で、緲落の復活を私利私欲のために助けようとする。
浅知恵な悪役。毛皮マニア

煦暘 演:金澤灝(ジン・ザーハオ)
魔族の君主の一人(赤魔君)で、姫蘅の兄

閔酥 演:王若珊(ワン・ルオシャン)
姫蘅の護衛

九尾狐族

白浅(バイチェン) 演:楊冪(ヤン・ミー)
鳳九の叔母で白奕の妹。狐族の領土である東荒の女帝。
天族の皇太子と婚約しているため、じきにその地位は鳳九に渡る予定

白奕(バイイー) 演:冷海銘(ラン・ハイミン)
鳳九の父親。厳格な頑固親父

白真(バイゼン) 演:黄俊捷(ホァン・ジュンジェ)
白奕の弟で、鳳九の叔父。鳳九のよき相談相手で、困ったときには助けてくれる頼もしい兄的存在。
折顔と親しい

白止(バイジー) 演:張弓(チャン・ゴン)
狐帝。白奕、白真、白浅の父で鳳九の祖父。

梵音谷

橘諾 演:孫雪寧(スン・シュエニン)
比翼鳥族の女君。60年に一度しか開かない結界だの、謎の死を遂げた公主の伝説だの、もはや呪いみたいな夢の世界だの、いわくありげな設定満載な梵音谷、女帝が何も関係ないわけがなく……

 演:易大千(イー・ダーチェン)
橘諾の息子、比翼鳥族皇子。青丘で一瞬だけ目にした鳳九に一目ぼれするが、梵音谷で再会した鳳九に気づかない

潔綠  演:莊達菲(ジュアン・ダーフェイ)
比翼鳥族郡主(王女)。萌の従妹

 演:李進榮(リー・ジンロン)
比翼鳥族上君(王)。兄を殺して王位に就き、兄嫁も自分の妃とした

傾画夫人 演:車永莉(チャ・ヨンリー)
比翼鳥族君后。前比翼鳥族上君である殷の妻だったが、その弟の闋に再嫁した。橘諾、阿蘭若、嫦棣の母親で、そのうち橘諾のみ前夫の子

嫦棣 演:馬澤涵(マー・ザーハン)
阿蘭若の妹。息澤が好きで、阿蘭若に嫌がらせをする

 演:李泊文(リー・ボーエン)
比翼鳥族皇子で闋の子(傾画夫人以外の夫人の子)。家族間で阿蘭若を唯一気遣った

蘇陌葉 演:郭品超(ディラン・クォ)
阿蘭若の師であり、西海の皇子。阿蘭若の死の原因を知るため、阿蘭若の夢に入る

茶茶 演:葉芸菲(イェ・ユンフェイ)
阿蘭若の侍女

その他

葉青緹 演:徐紹瑛(シュー・シャオイン)
東華帝君が人間界で修行した頃の部下(将軍)。小九と親しくなり、全てを捨ててでも彼女を守ろうとする。

王君 演:高曙光(ガオ・シューグァン)
承虞國王。帝君の人間界での姿である宋玄仁の父

賢妃 演:楊明娜(ヤン・ミンナー)
宋玄仁の養母。宋玄仁の母(前王妃)が宋玄仁の出産時に死亡したのち、自らの子があるにも関わらず、宋玄仁を厭わず太子として育てた人格者

宋玄應 演:胡琨(フー・クン)
賢妃の息子で、宋玄仁の長兄。王位は自分のものであるべきだと考え、宋玄仁に嫉妬する

沐芸 演:李佳勛(リー・ジァシュン)
小九の侍女

ネタバレなし感想

永遠の桃花では結ばれなかったサブカップルがメインということで狂喜乱舞したが、前作のファンは帝君がいくらかキャラ変していることを受け止める覚悟が必要。というか時系列も合わないし完全な別物と思うべきなんだけど、前作の帝君が好きすぎただけに、割り切るのが難しい。
孤高で感情を表に出さず、誰とも結ばれない運命にある至上の君……ではない!!!!
基本はクールだし色恋に興味ないところは変わってないけど、一度恋に落ちるとデレデレのメロメロになるし、甘えたり拗ねたりもする。三世石については設定ごと消されてるので障害にもならない。そこをどう乗り越えるのか楽しみにしていた部分もあったので、拍子抜けだった。

とはいえ、とはいえ!!!
絶大な力を持つ孤高の神と愛くるしい天真爛漫姫君の超年の差カップル、私のツボすぎてハマらざるをえない。
的確に突かれすぎてもはや瀕死。好きすぎて震える。
顔面も良すぎ。圧倒的説得力。すべてのシーンが見栄え◎。
ディリラバ様の輝かしい美貌の説得力がすごくて、帝君の代わりに私が一目惚れしてた。
もちろん、帝君の美貌も天界一なので、二人のお顔を見ているだけで健康になりそうだった。この濃いお顔は銀髪の方が似合ってる稀有な例だと思う。黒髪の違和感がすごい。今回の人間版は髭がなかったので、幾分マシではあった。

姫君が、可愛いだけじゃないところもいい。お転婆だけど育ちが良くて純粋で、自分勝手じゃない。仙術の方は高名を馳せるほどではないけど、手先が器用だったり決して無能ではないし、助けられるばかりじゃなく、自分が守りたいという気概もある。
帝君は強く美しく多芸多才で完全無欠にもほどがある。絶対的な力と知性を持つ成熟した男性の魅力迸りすぎ。
序盤はまじで不動の石みたいな人なのに、スイッチ入ってからの破壊力がヤバい。甘い顔、蜜の声、ちょいSだけど優しくて、こんな人に愛されてみてえな、という乙女の夢そのものみたいな人。

永遠の桃花でも、追いかけて追いかけて結局報われなかった(実質相思相愛ではあったが)鳳九だけど、本作でも報われない時間はかなり長かった。
それでも続きを見ずにいられなかったのは、とにかく鳳九が健気で可愛いから。天真爛漫で無邪気そのものだけど、おバカではない姫君は、引く時は引くし品性や知性も備えている。
命を救ってくれた大好きな人(神)を守りたくて一生懸命なのに、トラブルに愛されすぎてちっともうまくいかない鳳九を応援しつづけて、ようやく帝君が振り向いた時の嬉しさたるや!
焦らされまくった分、激甘なシーンが多かったので大変おいしくいただいた。

本音を言えば、永遠の桃花での私心を制して生きる気高い姿が恋しくもなった。感情を抑えて、無表情でひそかに甘やかしてくるところが好きだった! 抑えきれない愛おしさがこぼれるところが!!!
今作でもそういうところあるけど、激甘成分が増えすぎたので逆に永遠の桃花を見たくなってる 笑
解釈違いだと感じる部分も、正直あったからね……
夢幻の桃花で糖分摂取したら永遠の桃花で塩分摂取することで、永遠に楽しめる無限の桃花。

シナリオはというと、特に何も言うことなし。
これは桃花シリーズに共通する部分だけど、文句がないけど褒める部分もないという意味で、正直シナリオ、脚本が素晴らしいという印象はない。終盤まで見るとこの作品の良さというか狙いが分かって、しみじみ良かったなと思えるのだけど(詳しくはバレ感想にて)、それでもシナリオが素晴らしいというよりはキャラの魅力で最後まで完走させるタイプの話であることは間違いない。

だから、逆に言えば主役二人が好きになれないと、まったく面白くない作品だと思う。特にアランヤ編や人間界編はやたら長く感じた。丁寧ととらえることもできるが。
恋愛モードに入った帝君が前作とはかなり変わるので、永遠の桃花でのファンも場合によっては脱落するかも。ハマるとどっぷりだと思うけど。
帝君は気の遠くなるほど長い時間を生きて、愛という感情を忘れてしまうほど戦いに明け暮れていた人だけど、うら若く純粋な姫に絆されて愛を知り、最終的には甘えたり、我がままを言ったり、まるで生まれ変わったかのように感情を見せ始める。本当はそうやって自分をさらけ出せる相手を探していたのかもね。
昔からあるテンプレ設定だけど、何度見ても好きになってしまう人は少なくないはず。

脇役たちは、全体的に毒の薄い感じだった。他の桃花シリーズだととにかく鬱陶しいお邪魔キャラがいるけど、本作はそこまで存在感がない。
ライバル?の魔族の公主は確かにお邪魔ではある……けど、そこまで悪どい感じがないので、悪役としては半端な印象。燕池悟はこの人の何がそんなに良かったんだろう。他に適当なライバルキャラ作れなかったのかな。

司命と連宋殿下は相変わらずよき理解者だし、場が和むので良い。あと白真おじさまは相変わらず素敵。彼氏の折顔共々、急に若いイケメンになっててびっくりした。特に折顔、永遠の桃花ではオッサンだったからな。設定年齢からすればオッサンが正しいんだと思うけど、美しい白真おじさまと並んで絵になることを優先させたんだと思う。

永遠の桃花で悲嘆にくれたファンを慰めるファンディスクのような激甘ラブストーリーに、まんまと大喜びしてしまった。他の作品と比べて客観的評価ができない自覚はあるので、人に勧めて良いものか悩むけど、個人的には大好きな作品。自分のストライクゾーンど真ん中な主役二人を見られて幸せだった。

ネタバレ感想

中国ドラマあるあるだと思うんだけど、なぜラストに突然ミリしらな設定が出てきてミラクルハッピーエンドになだれ込むんだろうか……
最後の最後でお互いの深い部分から通じ合ってよかったよね、とは思うんだけど。
指輪とか、共に死ぬ縁のくだりはかなりぐっときたんだけど。
爆発オチなんてサイテー!! という気持ちも湧いてしまった。
中国ドラマはだいたいそういう感じなので、もう受け入れるべきか。
都合が良すぎて一回目に見たときはかなりポカンとしたんだけど、二週目以降の方が心に余裕があるせいか、素直にヨカッタネと思えた不思議 笑
あと九尾狐の身体万能すぎ。尻尾が神器になったり、血が仙体を保存できたり、浄化の力があったり、次々と便利設定が出てくる。えーー? と思ってるうちにあっという間の大団円。もっと一家団欒とラブラブシーンの尺欲しかったな……カットシーンとかあるんでしょ、出しなさいよ。

見終わってみると、いちいち尺をとって描かれた帝君と鳳九の愛の記憶に一つ一つ意味があったのだと分かるところが良かった。
人間界の悲恋とアランヤの夢。どこまでも鳳九が帝君を追っていったからこそ、ないはずだった縁が生まれ、二人を結び付けた。鳳九ほど自分を犠牲にしてまで頑張れる子はいないし、あれくらい頑張らないと手が届かない男・帝君の気高さと孤独よ。
そしてどの世界でもお互いベタ惚れなのがまたいい。どちらかというと帝君側が死ぬほど執着してるのもいい。現実では鳳九が追って追って追いまくったけど、終盤まで見るとどちらがということのない、対等な二人。
何度生まれ変わってもあなたに恋する、が桃花シリーズのテーマだと思うけど、そういう話はいくつあってもいい。

共に生きる縁はなくとも、共に死ぬ縁はあるはず、といって最後まで追っていった鳳九のひたむきさが、いつも全て一人で背負ってしまう帝君を救ったの、この二人の関係の尊さが詰まってる。こういう鳳九だからこそ、至上の尊神の伴侶にふさわしい。
あの爆発オチ直前のシーンもとても良かった。
力尽きて、最後まで傍にいる二人。手を伸ばし、名を呼ぶ。本当の最期が来るときも、この二人は共にいてほしいし、いるのだろうと思う。

ところで世界がヤバい状況で全く姿を現さない武神と太子(とその妻)は何だったんだ……大人の事情を感じる……
ただ考えてみると、永遠の桃花でもデバフ受けまくりで弱体化にもほどがあった帝君は今回もかなりネガティブ要素を背負わされていて、それでやっと魔君と死闘になるんだから、万全の帝君+増援のある状態だとそもそも瀕死にならないのかもしれない。そしたら九ちゃんとの感動のシーンが成立しないのよね。すべては旦那様が強すぎるのが悪いってことにしとこう。

あとこれは割と大多数の人が感じてると思うんだけど、姫蘅はなんで最後に幸せになっとんねん。
燕池悟はもったいない相手すぎるやろ。あんないいやつが、大して性格良くない女を選んでしまうの、最終回でもやもやさせられた。
もやもやといえば、連宋と成玉カップルの話は中途半端すぎたし全く興味が湧かなかったから、なくても良かったかな。どうせなら白真と折顔カップルを見せられた方が楽しめたと思う。

人間界編は、とにかく義母がいい人すぎて驚いた。
あのポジションの人って、中国ドラマだと十中八九嫌な奴率が高いのだけど、奇跡的に聡明な義母だった。
息子がいなくなってからどうなったのかちょっと気になる。あの義母が政権を担ったのか、親戚の政争が起こったのか知らないけど、あんな良い人が苦労する未来しかなくて心苦しい。
青緹は、誠実で一途で強くてとても良かったな。こちらも本当に良い人だからこそ、心が痛かった。
人間界では正直皇帝よりいい男だった気がするし…
ところで恩人を復活させようとするのは狐族の習性か何か? 笑

アランヤ編はそのタネ明かしの部分は面白かったけど、いまいち入り込めなかったのは、沉曄とアランヤが惹かれ合う過程にいまいち没入感がないから。二人とも性格や魅力が伝わらないままだから、どうも他人事感が捨てきれない。
それに姉妹との小競り合いやら、蛇やら、どうでもいい部分がやたら長くて、冗長に感じた。
二週目はともかく、初見の時はアランヤの夢が一体何なのか分からん状態だから、「……で?」という気持ちになってしまう。
逆にタネ明かしが序盤にあった方が興味を持って見れたかも。

夢の中でやっと両想いになる帝君と鳳九はすごく良かったんだけど。
キスにもバリエーションが多くて最高だった。長距離移動キス、ゴロンゴロンキス、手キス、おでこキス、鼻キス、色んなキスが全部想いに溢れてて、夢みたいに甘かった。後朝の色気たっぷりな帝君最高だったし。
もう少し永遠の桃花の帝君寄りな雰囲気で今回の話を演じてくれたら100点だった。ちょっと甘えん坊成分が強すぎるのと、冗長な部分がやはりあるので、やや減点ではある。

それでも何度も見ちゃうし大好きなんだけどね。この二人が結ばれるのがうれしすぎて。

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