家族の名において/Go ahead 登場人物・感想 / あまりにも顔が良すぎるソン・ウェイロン

4.0

あらすじ

幼くして母を亡くした李尖尖、母親が出て行ってしまった凌霄と賀子秋は、血のつながりはないが兄弟のように育った。尖尖の父・海潮の温かい愛情に包まれて安らぎを知る凌霄と賀子秋だが、成長した二人に親たちが再び接触を図ってくる。
しばらくの別れと再会、そして二人の兄が尖尖への恋心を表明したことで、三人の関係性は少しずつ変わってゆく。

登場人物・キャスト

李尖尖(リー・ジェンジェン) 演:譚松韻(タン・ソンユン)
幼少時に母親を亡くしているが、明るく元気いっぱい。凌霄と賀子秋を照らす太陽のような存在。

凌霄(リン・シャオ) 演:宋威龍(ソン・ウェイロン)
李尖尖と同じ建物に住むご近所さん。亡くなった妹のために心を病んだ母親により、心がズタズタになってしまった男の子。
どんな時も尖尖を守ってくれる、賢く優しく頼れる兄的存在。無口だが尖尖にだけは心を開く

賀子秋(ハー・ズーチウ) 演:張新成(チャン・シンチョン)
突然いなくなってしまった母へのトラウマで心に穴が開いている。血のつながらない海潮に育てられた。尖尖を全力で甘やかす

李海潮(リー・ハイチャオ) 演:涂松岩(トゥー・ソンイェン)
尖尖の父。美味しい料理と底なしの優しさで子供たちを包み込む。料理屋を営んでいる。

凌和平(リン・ハーピン) 演:張晞臨(ジャン・シーリン)
凌霄の父。警察官。家族のことは大事に思っているが、忙しくて関わる時間がとれないでいる。
取り立てて言うことのないごく普通な父親。

斉明月(チー・ミンユエ) 演:孫怡(スン・イー)
尖尖の親友。教育ママで何もかも管理したがる母親との関係に悩んでいる優等生。

唐燦(タン・ツァン) 演:何瑞贤(ホー・ルイシエン)
尖尖の親友。女優を目指しているが、なかなか芽が出ない。

陳婷(チェン・ティン) 演:楊童舒(ヤン・トンシュー)
凌霄の母。娘を亡くして心を病み、家を出て行ってしまう。再婚し娘を授かる。
凌霄との関係を修復しようと試みる。

橙子(チェンズ)
陳婷が再婚後にもうけた娘。

賀梅(ハー・メイ) 演:苑冉(ユエン・ラン)
子秋の母。海潮とお見合いしていたが、ある日突然子秋を置いていなくなってしまう。

趙華光(チャオ・ファーグァン)
賀梅の元夫で、子秋の父。子秋を後継者にしようと迫る

庄北(ジョン・ベイ) 演:安戈(アン・ゴー)
子秋の親友

金玉香(ジン・ユーシャン) 演:郝文婷(ハオ・ウェンティン)
明月の母。全てを管理したがり、否定的

杜鹃(ドゥージュアン) 演:王薇(ワン・ウェイ)
李尖尖の大学時代の先輩。共にアトリエを経営する

郑舒然(ラン) 演:郁子陽(ユー・ズーヤン)
李尖尖の友人。芸術家同士話が合うが、女体への興味が強すぎるため天才と変態は紙一重

冯希希(マ・シーシー)
凌霄の同僚。凌霄に気がある

ネタバレなし感想

ソン・ウェイロン(凌霄)が美男過ぎて何も他に考えられなくなった。
イケメンに脳を破壊されたい人におすすめ。

ソン・ウェイロン以外の見どころでいうと、毒親セレクションが楽しめるところかな……(楽しくはない)。
えっ中国ってあんな毒親祭りなん…? と引いてしまうけど、さすがにこんな大集結してるのはこのドラマだけだと思いたい。
それぞれの理由で母を失った3人が兄弟のように育ち、家族間の問題に直面していく……と書くとかなりシリアスっぽいし、実際重い展開も多いけど、女主のキャラが明るいのでそこまで重くならずに見れる。

中国では日本よりはるかに家族を重要視していて、ほとんど呪縛のよう。年長者の言うことは絶対で、特に親には決して逆らえない。親が年老いたら介護するのが当然で、ヘルパーとか施設という選択肢がほとんど出てこない。
文化の違い、理解できない部分は確かにある。でも、どの国どの世代の人でも共感できるような、普遍的な親子問題や人生の命題も含まれていたから、ここまで人気作になったのだろうと思う。
誰でも愛を求めていて、無償の愛を初めに与えるのは家族であるはずだから。自分という存在を受容してほしいと願う相手。どんなに傷つけあっても、簡単には切れない関係性であるのは万国共通のはず。

いつになっても少女のような尖尖の屈託のなさはパパのおかげで、李パパの愛の深さはまさに海のよう。オッサンだがまさに天使、みんなのサンクチュアリ。
凌パパとのパパコンビはめちゃ可愛かった。ずっと仲良くしててほしい。
凌パパは一般的な父って感じで、特筆すべきことはないんだけど、その普通さが逆にほっとする。よく考えると、李パパはできた人すぎるし、他の父母は強烈な人も多かったからな。普通はこのくらいの距離感だよな。

親友たちの親もしんどいし、全体的に若者が苦しみ悩む話だけど、最後にはすっきり解決していくから良かった。大人になるってこういうことなんだな、と思いかけたけど、オイ親たちは全く大人になってないやんけ、と思い出すところまでがセット。
まあ大人になるって口で言うのは簡単だけど、実際には難しいものだよね(ということにしとこう)。

苦しいことはたくさんあっても、きっといつか乗り越えられるし、誰だって幸せになれる、というメッセージがこもっている。幸せをつかむための道のりが短く簡単な人もいれば、遠く苦しい人もいるのだろうけど。
戦い抜いた若者たちに喝采。
家族ってなんだろう、自分らしく生きるってなんだろう、幸せってなんだろう。
そういう普遍的な問いを、ふと自分自身にも投げかけたくなる作品。

ネタバレ感想

兄弟として育ったのに恋愛展開になるのムリ…という声も聞いたけど、高校くらいから凌霄は明らかに「男」だったし、それほど違和感を覚えなかった。
優しいお兄ちゃんに守られる妹ポジも、孤独な目をした傾国級美男に溺愛されるポジも楽しめて最高じゃん。凌霄の顔面がとにかく最強。しかも静けさと情熱両方秘めてて最高。みんな絶対好きなやつ……!! 
尖尖がいないと生きていけないくらい心が死んでるけど、全力で寄りかかられてもけろっとしてる尖尖がまた良かった。天真爛漫な女の子と心を病んだ男の組み合わせは大好物や。

ソン・ウェイロンに口説かれて、そばにいてくれないと死ぬムーヴされて落ちない胆力を持った女ってこの世にどれくらい存在するんだろうか。
顔がいいだけじゃなくキスやハグもずっと甘くて、それでいて命の重さくらいに切迫してて、なんか脳が焼けた。
絶対に守ってくれる感と、守ってあげないと生死がヤバイ感の絶妙なバランス。

あれだけ強すぎる顔面を持ちながら、モテエピソードや三角関係がさほど出なかったのが意外なくらい。ドラマの主題から離れるからごっそりカットされたとしか思えない。これが少女漫画だったら、女主がモブの嫉妬で大変なことになってるところだ。

逆に子秋の方は、イケメン設定だけどそこまでイケメンとは思わなかった。美醜の基準が違うのか、演技力を優先させたキャスティングなのかは謎。
彼は彼で大変な苦労をしているし、自己否定との戦いだったと思うけど、最後にはちゃんと幸せになって気持ちの良い終わり方で良かった。もしや橙子のお相手になる未来があったりする? かどうかは分からんけど。

それとメインの三人と張れるくらい苦しんだ明月、かわいそうだった。
私だったら何度ブチ切れ縁を切ろうとしたか分からんくらい理不尽な親、実る気配のない恋、およそ絶望しかない状況で、前向きにひたむきに頑張り続けたまっすぐさよ。
忍耐力は凌霄がナンバーワンだと思うけど、明月もかなり頑張ったよ。
というか忍耐力レースなんぞ開催しないでほしいんだが。もっとのびのび自分の人生を楽しんでほしい。

その点、尖尖は本当にみんなの救いだったんだろうな。
兄二人から溺愛されてもつけあがって我がままにならず、むしろ同じだけの愛情を返してあげられるのは、普通に見えてもやはりただ者じゃない。誰かの苦しみに引きずられることもなく、いつも尖尖のままでいられるっていうのも才能だと思うし。

尖尖はよそ見するタイプじゃないし、凌霄は絶対に一生尖尖を離さないだろうから、きっとあの最後の写真は本当に戸籍上としても家族写真になるのだろう。
何回復活するねんというくらいしぶとい毒親ボスもいたけど、あの結末にたどり着けて良かった。

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