あらすじ
自由奔放な九尾狐族の帝姫・白浅は、女子禁制の崑崙で男装して武神・墨淵の弟子になる。
しかし翼族と天族の戦いが起こり墨淵は亡くなってしまう。師匠の死を信じられない白浅は、墨淵の遺体を隠しひそかに保存した。
墨淵が命を懸けて封印した翼族の王・擎蒼は復活の兆しを見せ、白浅は命をかけて封じるも、記憶を失い人間界へ落とされてしまう。そこで天族の皇太子・夜華と互いの素性を知らずに出会うが……
登場人物・キャスト
白浅(バイチェン)/素素/司音 演:楊冪(ヤン・ミー)
九尾狐族。白奕、白真の妹で、鳳九の叔母。気が強く奔放な性格。
男装して武神墨淵の弟子となり修行をしていたが、翼族との戦いで亡くなった師匠を蘇らせようと奔走する。
夜華(イェホア) 演:趙又廷(マーク・チャオ)
天族の皇太子。いまいちな皇子が多い中で際立った強さを持ち、期待を一身に集めている。真面目な堅物で色恋への興味は一切なかったが、素素(白浅)に恋をしてからは怖いほど一途に愛する。
白鳳九(フェンチウ)/陳貴妃 演:迪丽热巴(ディリラバ)
九尾狐族の王族の中でも末っ子で、愛されて育ったお転婆なお姫様。
やっと結婚適齢期にさしかかった若い娘で、血筋よし・器量よしで当然モテるが、よりにもよって完全無欠の東華帝君に恋をしたせいで、他の男など全く目に入らなくなる。
東華帝君(トンファ) 演:高偉光(ガオ・ウェイグァン)
長寿な神族の中で最も神格と年齢の高い神で、かつての天君。譲位して隠居中の今もなお最強で誰も逆らえない。
達観しており些末なことには心を動かされないが、つきまとってくる鳳九に何だかんだ目をかける
素錦(スーチン) 演:黄梦莹(ファン・モンイン)
夜華の両親に養女として育てられ、夜華との結婚を夢見て素素にひたすら嫌がらせをする。どんなに嫌われても突き進むメンタルの持ち主
天君 演:蒋愷(ジャン・カイ)
天族の君主。帝君には頭があがらず、将来を期待される太子・夜華までのつなぎっぽい雰囲気の王様。
各派閥のパワーバランスを保つことと天族の掟を守ることに終始しており、実権があるのかないのかはっきりしない
連宋(リャンソン) 演:李東恒(リー・ドンホン)
天君の第三皇子。仙力はいまいちだが柔軟で物わかりが良く、夜華の良き相談相手。元恋人の成玉とは微妙な関係
成玉(チェンユー) 演:王汀(ワン・ティン)
連宋の元カノ。気さくな性格で鳳九の友達
司命星君(スーミン) 演:王驍(ローレンス・ワン)
人間の運命を決める星神。連宋と親しい。苦労性
桑籍 演:王若麟(ワン・ルオリン)
天族の第二皇子で白浅の婚約者だが、白浅の侍女を愛してしまい破談となる。天君の息子三人の中では比較的有能だった
央錯 演:牟鳳彬(ムー・フォンビン)
天族の第一皇子で夜華の父、素錦の養父。規律大事で頭が堅い
楽胥 演:劉曉曄(リウ・シャオイエ)
夜華の母
墨淵(モーユェン) 演:趙又廷(マーク・チャオ)
天族の武神で白浅の師。夜華とは瓜二つ。翼族との戦いで命を落とすが、彼の復活が白浅の目標となる
子蘭(スーラン) 演:劉芮麟(リウ・ルイリン)
墨淵の十六番弟子。白浅とは同期入門
疊風(デーフォン) 演:賴藝(ライ・イー)
墨淵の一番弟子。西海の第二皇子。真面目で責任感が強く、弟子たちの統率役
織越 演:劉玫麟(リウ・メイリン)
夜華の従妹。帝君に恋をしているが相手にされていない。鳳九に嫉妬する
擎蒼(チンツァン) 演:連奕名(レン・イーミン)
翼族の王。墨淵が命がけで封じるが、とにかく生命力が強く復活を虎視眈々と狙う
離鏡(リーチン) 演:張彬彬(チャン・ビンビン)
翼族の第二王子。司音が女だと気づき恋するが、色欲に弱すぎて間違いっぱなしの人生を送る。
王族としての自覚は一応あるが、いまいち力不足
臙脂(ヤンジャ) 演:代斯(ダイ・スー)
翼族の王女。司音を気にいる。心優しい性格
離怨(リーアン) 演:杜俊澤(ドウ・ジュンズー)
翼族の第一王子。横暴で人望もない。離鏡に囚われ王位を奪われる
白奕(バイイー) 演:冷海銘(ラン・ハイミン)
鳳九の父親。自由な気質の狐族では珍しい、厳格な頑固親父。弟妹の白真と白浅からは苦手に思われている
白真(バイゼン) 演:于朦朧(アラン・ユー)
白浅の兄で、鳳九の叔父。白浅と鳳九のよき相談相手で、困ったときには助けてくれる。
折顔と親しい
白止(バイジー) 演:張弓(チャン・ゴン)
狐帝。白奕、白真、白浅の父で鳳九の祖父
折顔(ゾイエン) 演:張智堯(ケン・チャン)
鳳凰族で、狐帝(白奕、白真、白浅の父)と同世代。医術の腕は随一。白真と親しい。
玄女(シュエンヌー) 演:祝緒丹(ズー・シュダン)
白浅の兄の義妹という微妙な遠縁。縁談が嫌で崑崙に身を寄せ、離鏡に横恋慕して寝取る。
だが性格が悪すぎて愛されない。
少辛(シャオシン) 演:安悦溪(アン・ユエシー)
蛇の精霊。いじめられているところを白浅に救われた。その後青丘で侍女となったが、白浅の婚約者の桑籍と恋に落ちてしまう
迷谷(ミーグー) 演:張宥浩(チャン・ヨウハオ)
青丘の使用人の樹精
奈奈(ナイナイ) 演:楊安琪(ヤン・アンチン)
夜華が連れて来た素素の侍女
ネタバレなし感想
初めて見た古装ドラマで、中国ドラマにハマるきっかけにもなった思い出深い作品。
試練やドラマが次々に襲い掛かってくるのに飲み込まれるようにして数日で観終わってしまった。ちょっとした衝撃だった。
中国ドラマあるあるの、ストレスによる吐血とか崖落ち生存フラグとか、重症からの爆速復活を知らなかったので、いちいち驚きハラハラしていたのもある。
ポンコツなCGに時々ズコーッとさせられるけど、それもまあええかと思えるくらい面白くもある。
とはいえ主人公カップルにはさほど心惹かれず、サブの帝君&鳳九の方に夢中になっていた。可愛すぎる上にひたむきな鳳九が愛おしすぎて応援していたから、ラストでは色んな意味で号泣。
帝君のキャラも好みすぎて、画面に映るだけでうれしかった。銀髪って似合う人少ないと思うのだけど、こんなにも似合う人は初めて見たし、あまりの気高さに心奪われっぱなし。
無関心を装っても、明らかに鳳九を大切にしているのがじわじわと分かるのが最高。彼には彼なりの葛藤があるのが、抑えた演技からも伝わるのが切なすぎた。
鳳九は反則レベルにかわゆいし。顔はもちろん、表情も仕草も性格も全部かわいい。人型でも狐の姿でも、ずっとキュートさにもだえ苦しまされた。これを無表情でやりすごした帝君の理性はどうなっている。一目惚れしない方がおかしい可愛さだし、純粋さも天真爛漫さも世界の宝。この世に生まれてきたことを感謝した。
お転婆だけど、育ちがいいからわきまえるべき部分はわきまえていた印象。それに守られるばかりじゃなくて、彼のためなら喜んで身を投げ出すようなところもある。そういう健気な子に弱い。
この二人について語りだしたら止まらない。2週目はこのカップルが出ているところだけ追いかけたくらいなんだけど、一応メインカップルにも触れておくと、なんかつかみどころのない二人だった……。性格もよく分かんないし、恋の経緯もよく分かんなかった。
まず夜華がなぜあんなにも素素に惚れぬいたのかがいまいち分からない。生活力がなくて天然ぽくて放っておけない感じはあったけど、あんな人生掛けるほどの相手だったか……? 失礼を承知で言えば、童貞が初恋にしがみついているような印象を受けてしまった。もっといい女だっていくらでもおったやろ。
あと一生雷に打たれ過ぎ人生すぎて、墨淵師匠が序盤で受けてくれた雷のありがたみが紙のように薄くなってて笑ってしまった。我慢強さは称賛に値するけど、さほどぐっとこなかった不思議。
白浅になってからはかなり性格が変わったのに、変わらず愛した理由もいまいちわからなかった。結局何が一体好きだったんだろう。共通する部分となると……顔……???(えー)
それと身も蓋もないけど、夜華はどうも役柄と容姿が一致していないことが引っかかってしまった。演技は良かったのだけど、どうしてもね……数多の女が一目惚れする姿には思えなかったのよ。この手のラブストーリーは見てくれも大事だと思う。致命的にロン毛が似合わんし。モーユエンの髪形はまだ良かったけど。
白浅は白浅で、いつから恋してるのか、なぜ好きになったのかがいまいちわからなくて、常にその発言に驚かされた記憶。離鏡のことも、夜華のことも。
それと個人的好みなんだけど高飛車・強情系ヒロインはあまり好きじゃないから、夜華は本当にこの人を選んでいいのかと首をひねり続けてる。白浅の顔面以外の魅力って、何……? 意思が強くて有言実行なところ? 媚びないところ?
ご本人が幸せなら何でもいいんだけど。
カップルと言えば終始一番安定していたのは白真兄上と折顔上神ではないか 笑
明言されてないけど、そういう関係よね、この二人は。
いつも二人でふらふらしているように見えるけど、何か職務があるんだろうか……と謎に思いつつ、いつも助けが必要な時に助けてくれる頼もしい立場の方々で良かった。
薬王より医術が上の折顔に、薬王の存在意義を考えてしまったけど。
それと今回の悪女である素錦、一周回って好きかもしれんレベルですごかった。
徹頭徹尾相手にされてなくて、嫌われるどころか殺したいほど憎まれてもめげないメンタルの強さは異常。どこから来るんだそのガッツは。驚きの耐久力にもほどがある。
あの手この手で邪魔をしてドラマを大いに盛り上げてくれた立役者に拍手。
同じ悪女枠でも嫌いだったのは玄女。こちらはただただ鬱陶しいだけだった……早く消えてほしい度ではNo.1。こちらもすげえ耐久力だったな。
ネタバレ感想
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帝君と鳳九が、あんなに深く想いあっても絶対に報われないのが辛すぎて泣いた。終盤はほとんど両想いだったけど。
ラスボス戦を横目に、鳳九を守ることだけに集中する帝君よかったな。あの瞬間、帝君は世界よりも鳳九を優先させていたから。まあラスボスに立ち向かうほど力がなかったせいもあるんだろうけど。
本来なら最強格である帝君や墨淵が真っ先に立ち向かうべき敵なのに、夜華をメインに据えるために大幅弱体化される帝君、大人の事情を感じて悲しかった。いくら何でも、本来はもう少し強いのでは……? 30万年以上生きてる割に修為すぐになくなるし、天罰とやらで終盤はほぼ最弱レベルにまで落とされるし。よくわかんない妖獣相手に重症負うし。
墨淵に至ってはほぼ空気だったから、それに比べると出番があるだけマシかもしれないが。
墨淵は最後に都合よく出てきて夜華が生きかえったことを教えてくれるけど、それもっと早く言ってやれよ、としか思わなかった。ていうか復活したなら戦ってくれ。武神の名が泣いてる。
復活まで長かったけど、いざ復活したら退場してしまうの、あまりに損な役どころ。夜華の嫉妬を煽るだけの存在だったな。
離鏡があまりにみじめすぎるのも不憫だった。後半は未練たらしく追いかけてきたり酒浸りになったり、まるで一生の恋を失ったみたいな様子だけど、それはそうとして手ごろな女抱いてるからちっとも応援できない。未練だって、自分のものになりそうでならないのが悔しいだけじゃないか、と思えてくる。こいつは本当に愛を知ってるんだろうか。
最期も一人で空回った挙句、白浅に知られもせず死に、しかもその後一切触れられないというモブ退場でシビアすぎた。
離鏡と墨淵は二大「あいつ何だったん?」枠。
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