花の都に虎われて 感想 / こういう支離滅裂な漫画流行ってるよね

3.0

あらすじ

脚本家のチェン・シャオチェンは俳優に脚本のダメ出しをされて憤慨。何とか原稿を書き上げたものの意識を失い、目が覚めると自分の作品の中に入り込んでしまっていた。
しかもじきに死ぬ予定の悪女になってしまったことに気づいたシャオチェンは、何とかして死の運命を回避し、元の世界に戻ろうと奮闘する。

主要人物

チェン・シャオチェン 演:チャオ・ルースー(趙露思)
若手脚本家。クランクイン直前で俳優にダメ出しをされ、恋愛経験が足りないとまで言われて憤慨。負けん気の強い性格

陳竿竿 演:チャオ・ルースー(趙露思)
シャオチェンが書いた物語の登場人物で、女性優位である花垣城の三郡主(第三王女)。破天荒な振る舞いですこぶる評判が悪い悪女。
三話目くらいで死ぬ予定だった

ハン 演:ディン・ユーシー(丁禹兮)
シャオチェンが脚本を書いたドラマの主演俳優。はっきりとモノを言うタイプ

韓爍 演:ディン・ユーシー(丁禹兮)
シャオチェンが書いた物語の登場人物で、男性優位である玄虎城の若君

ネタバレ感想

自分の書いた物語の中へ入り込んでしまい(しかも死ぬ役)、どうにか生き残りつつ帰る道を探るという流行のシナリオ。こういうの中国でも流行ってるのか。

とにかくヒロインの言動が行き当たりばったりの支離滅裂で、話が進むごとに「なんだこの女……」感が強くなる。ちなみに男主もわりと意味不明なのでお似合いのカップル。

次々と事件が起こるので中盤まではそこそこ面白がっていたが、あまりに感情移入できないのでだんだん冷めた。そもそも、
「本来の脚本と同じ結末を迎えないと元の世界に戻れない」 ※根拠はない
「ラストで死ぬはずの男主を救いたい」
「序盤で死ぬはずの自分も生き残りたい」
と前提が滅茶苦茶なので、約束された破綻展開だった。

「私と彼は生きる世界が違う。本来のヒロインと結び付けなきゃ」と決意したのに、すぐに男主に告白し、「ついに甘い恋を手に入れたわ」とイチャつきだす女には、突っ込みも尽きたし祝福する気も失せた。

かと思えば突然悲劇のヒロインぶって男主を陥れ、裏切ったふりをして遠ざけたのには「突然何やねん、後先考えずにイチャついてたんかい」と白けるし、再会後はなぜか突然コメディっぷりを出してきて困惑。

どんな感情で見守ればええねん!
気持ちが全く追いつかないんだが!!

その後の男主も冷ややかに報復するのかと思えば「ずっと君を想っていた」とか言い出すし、強姦しようとしたり奴婢にしたりと嫌がらせをしたかと思えば、ちょっとの怪我で優しく介抱してきて、「とりあえず方針を一つに絞ってくれ」というお気持ちでいっぱい。
いや、監禁しておいてたまに優しくするやり方、聞いたことあるぞ……犯罪者の手口や(割と間違いでもない)

後半は毎話支離滅裂メーターが上限突破するので、もはや深く考えていけないのだと悟りを開いて、いっそ穏やかな心持で眺めていた。よく最後まで見届けたよね。
観終った今、特に誰のことも好きじゃないなと気づいて若干の虚しさに襲われてる。

それこそ脚本家出て来いと言いたくなるほどめちゃくちゃだが、衣装やキャストからして、そんなに予算の多くないドラマだったんだろうという感じがする。まあ楽しめるかどうかは人によるだろう。
深く考えずにかる~~い少女漫画展開が見たい時には良いと思う。

いいところは……強いて言えば、男主の顔が良いことかな。

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