ロマンスは別冊付録 感想 / アラフォーの夢いっぱいに詰まってる

4.0

あらすじ

かつては大きな賞をとるなど、才能あるコピーライターだったカン・ダニ。
離婚を経験し、人生再起をかけて就職活動するも、どこからも返ってくるのは冷ややかな反応。三十路女性で、キャリア中断したダニへの風当たりは想像していたよりはるかに厳しかったのだ。
家もなく収入も貯金もなく崖っぷちの日々の中でどうにか出版社のアシスタント織を得るが、その編集長は年下の幼馴染であり、文壇のアイドルでもあるチャ・ウノだった。

微ネタバレ感想

ものすごく平和なラブストーリー。ヒロインは離婚して再出発しようとする三十路女性だけど、一度キャリアの途絶えた人間に対する社会の厳しさが序盤で描かれる。日本でもこういう傾向はあるよなあと思いつつ、韓国の方がより厳しいかもしれない。
今はどうだか知らないけど、韓国って日本以上に就職が厳しく、若くても高学歴でも苦労するらしいから。

でも何だかんだで自分を慕う年下男子という夢のような存在が温かく見守ってくれて、住む場所も提供してくれて、何とか職にもありついて……となってからは、どん底に突き落とされるようなこともあまりなくて、ちょっと波が立ってもじきに解決するので安心して見ていられる。
序盤のダニは、他人の家に勝手に上がり込んで生活するわ、なぜか事情を話さないままウノを利用するわ、あまりの図々しさと倫理観のなさに引いたけど、そこを乗り越えれば割と順当に育まれる恋だった。
というかそもそも、最初から事情を話して世話になれば良かっただけだと思うけどな。男の趣味の悪さといい、離婚する時の立ち回りといい、ダニはあんまり頭良くないな。

周りの人間も良い人が多い。二番手の男も感じが良かったし、一応ライバルポジの女の子も良い子だった。というかダニはソジュンとくっついても良かったと思うぞ。ウノよりいい男説ある。
会社の人たちの人間関係も、重苦しくならない程度のコミカルさとちょっぴりのほろ苦さで描かれる。
舞台となる出版業界の良いところと辛いところが両方描かれていて、お仕事ドラマとしての面白さもあった。社会風刺的な要素も少しあり。
対照的な生活背景を持つ女たちの友情も、ちょっと嘘っぽいけど面白い。
結婚した人、離婚した人、独身の人。誰にでもそれなりの悩みがあり、逆風に立ち向かうみたいに毎日を生きている。そんな女性たちへの応援歌のような内容だった。

昔の韓流ドラマでは、親同士の因縁で引き裂かれ、事故に遭って記憶をなくし、ライバルが延々と嫌がらせしてきたもんだよな……ともはや歴史を振り返るような気持ちで、特に何事もなくハッピーエンドを迎える本作を見終った。

のめりこむほどの面白さはないが、ほっこりできるのでまた時間を置いてから観るかもしれない。

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