最後の雨が降るとき 感想 / すんごい好きな世界観とストーリーなのになぜかハマらず

あらすじ

謝天娣(ティエンディ)は祭司である祖母に育てられたこと、また神の加護を感じることが多かったため、お祈りやラッキーアイテムを欠かせない信心深い娘だった。
事実、ティエンディのそばには彼女を長年見守ってきた守護神オラドの存在があったが、ある日ティエンディはオラドの姿が見えるようになってしまう。
ティエンディを大切に思うオラドだが、度重なる環境破壊により主神の怒りを買った世界は、少しずつ終焉に向かおうとしていた。

感想

神と人の交わる世紀末ファンタジー。

お話としては面白かった。神が人間を見限ろうとしている世界で、運命に翻弄されながら愛を貫こうとする、人と神霊の話。
冒頭の神話の絵本のようなアニメーションが美しく、音楽も印象的。環境問題や、人の欲望の限りなさなど、様々なテーマに触れつつ、終盤で壮大に二転三転するストーリーも見ごたえあり。

世界観は好きだと思うんだけど、いまいちのめりこめなかったのは、主人公の二人がさほど好きではなかったから。嫌いな要素もあまりないんだけど、なんか常にうっすら好きじゃなかった……好みの問題かな。いつでもそばにいて、絶対守ってくれる見守り系男子好きなんだけどな。

なんで今これ話さないの?とか、なんで怒ってるの?とか、なんでここで何もしない?とか、行動がいちいち共感できなかったのかも。二人とも性格に癖がなさ過ぎて、とんでもない不幸を乗り越えているわけでもなく、恋愛模様もなんかぼんやりしていたし。
幸せになってほしいとか、結ばれてほしいという気持ちにならなかった。
主人公二人よりも、脇役の示す愛の方が心に響いた。応援したかった。

なんか色々と惜しい。お話は本当によくできていたと思う。
現代人が失ったもの、これから失うであろうものについて考える作品でもあった。
多くの伏線が終盤で丁寧に回収されていく気持ちよさもある。でも考えてみると主人公二人以外はあんま幸せになれない、まさに世紀末ストーリー。

最後のあれがハッピーエンドといえるのかどうかは、視聴者の受け取り方によるかなあ。なんで最初からこうしなかった? という気もしたけど、色々あったからあの形に帰結したということもできるのかな……。
最後まで消えぬモヤモヤが続き、物語としての完成度が高いにもかかわらず、あまり刺さらないドラマだった。

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