L&P/点燃我,温暖你 Lighter and Princess 感想・登場人物

4.0

あらすじ

海外で働いている朱韻は、幼馴染の田修竹と共に帰国する。
ほんの一時帰国のはずだったが、服役していた元恋人・李峋が出所したところに出会い、二人の縁は再び絡まり始める。
さらに数年前に李峋と朱韻が立ち上げた会社が、友人の高见鸿に乗っ取られていることに気づく。
大学時代、ぶつかり合いながらも強く惹かれ合い、恋人同士となった二人。その幸せはなぜ壊れてしまったのか。二人の会社L&Pを取り戻すことはできるのか。

登場人物

朱韻(ジュー・ユン) 演:張婧儀(チャン・ジンイー)
成績5位以内をキープしている優等生。親の敷いたレールを歩むことを不満に思いつつも、目立たず平穏に過ごすことが信条だったが、李峋という天才に出会い、内なる情熱が目を覚ます。
負けず嫌いで根性がある。裕福な家庭に育ち、世間知らずなところも

李峋(リー・シュン) 演:陳飛宇(アーサー・チェン)
入試の成績1位。プログラミングの腕前は天才的。傲岸不遜、大胆不敵な性格で、ルールというルールを無視し世界に冷笑を向けている。
どんなに突き放しても食らいついてくる朱韻に興味を持ち始める

高见鸿(ガオ・ジェンホン) 演:趙志偉(チャオ・ジーウェイ)
朱韻の同級生。入試2位。どう頑張っても勝てない李峋へ嫉妬と劣等感を募らせてゆく。
徐黎娜に一目ぼれして積極的にアプローチする

任迪(レンディ) 演:曾可妮(ツォン・コーニー)
朱韻の大学時代のルームメイト。音楽にしか興味がなく、勉強はサボりっぱなし。じきに退学してバンドに専念するが、友情は続く

方志靖(ファン・ジーシン) 演:崔雨鑫(ツイ・ユーシン)
プログラミングの大会で出会う他校の学生。朱韻と過去に因縁がある。
悪辣かつ傲慢な性格で、審査員と癒着し不正に賞を獲得しようとする

田修竹(ティエン・シュウジュ) 演:马可(マー・クー)
朱韻の幼馴染の天才画家。海外在住。両家の親から結婚を推されている。
面倒見が良く気安い。朱韻とはつかず離れずの距離感で見守っている。

徐黎娜(シュー・レイナー) 演:钱迪迪(チャン・ディディ)
プログラミングの大会で出会う他校の学生。明るく社交的な美人。才能がないことは知りつつも、プログラミングが好き。李峋に恋をする

方舒苗(ファン・シューミャオ) 演:姜梓新(ジャン・ズーシン)
朱韻の大学時代のルームメイト。ポイントを稼いで良い成績を取ることに執心している。
李峋に惹かれるが、朱韻の存在からあきらめる

侯寧(ホウ・ニン) 演:郜玄銘(ガオ・シュエンミン)
李峋の囚人仲間。出所後は同居し料理とハッカーの腕前で李峋を助ける

金城(ジン・チョン)/小穴子(シャオリウズ) 演:曹楊/Young
任迪のバンドメンバー。任迪に惚れている

(ドン)社長 演:张晞临(ジャン・シリン)
サイバー飛揚という弱小ゲーム会社の社長。ITどころかゲームの知識も大してなく、本業はタクシードライバーという変わり者。元服役囚で、李峋に理解を示す

張放(ジャン・ファン)
サイバー飛揚の財務・人事・営業統括。社長にへつらい、金をケチるだけで、本人はさほど有能ではない

趙騰(ジャオ・トン)
サイバー飛揚の開発者。常にゲームに熱中しておりほとんど仕事をしない

郭世傑(グオ・シージエ)
サイバー飛揚のデザイン・庶務。食いしん坊でお菓子を大量にストックしている。仲の良い彼女がいる

張暁蓓(ジャン・シャオベイ) 演:田蕾希(ティエン・レイシー)
大学の先輩。現役学生を体よく働かせ、制作物を自分の作品かのように喧伝し手柄を乗っ取る常習犯。
李峋たちのプロジェクトを乗っ取ろうとする

林教授 演:李建义(リー・ジャンイー)
応用情報学の大家。李峋の才能を知り、成長を見守る

朱光益(ジュー・グァンイー) 演:涂松岩(トゥー・ソンイェン)
朱韻の父。何かしらの会社の社長。穏やかで物わかりの良い人物だが、李峋と朱韻の交際は良く思っていない

刘爱琳(リウ・アイリン) 演:赵子琪(チャオ・ズーチー)
朱韻の母。教育局に勤めており、朱韻にも品行方正・優秀であることを強いている。田修竹との縁談を望み、李峋との交際に強く反対する

ネタバレなし感想

3,4話くらいから続きが気になってどんどんみてしまった。
冷淡、傲慢、支配的、と現実にいても絶対付き合いたくない人格を、甘い顔立ちと才能でくるんで魅力的に見せているマジック。正直、あそこまで食らいついて恋愛に持ち込んだのは朱韻が変わり者すぎるだろと思う。
たまに良いこと言うけど、あまりにも支配的で相手の感情を無視した発言が多すぎ。とてもじゃないけど社会性がなさすぎる。絡み続けた朱韻もすごいし、何度コケにされてもそばにいた高见鸿もすごい。というか高见鸿はとっとと離れて自分の人生歩めば良かったのにな、とも思うけど。

親の言うことを聞くいい子ちゃんで、目立つことが嫌いで、無難に生きようとしていたはずの朱韻が、李峋と出会ってから見違えるようなド根性娘に。自分の気持ちをはっきりと口にし、やりたいことを貫き通すようにもなった。(親には従わないまでも逆らえないままだが)
運命の出会いとはこういうことかもしれない。良くも悪くも、自分らしくあれる相手に出会えたんだね。

とはいえ、恋愛模様は割と謎も多かった。
特に序盤はぶつかりあってばかりで、「あいつなんて好きじゃない」という態度を前面に出していたのに、李峋からのメッセージにニヤニヤしたりして「好きだったん!??????」とこっちが困惑することも。
やたらと顔を至近距離に近づけられても嫌がらないし。
顔か? やっぱ顔なのか?
というかあのシーンかなり多かったけど、どんな感情なのかさっぱり分からなかった。
李峋の方は、朱韻を気に入ってるのが割と序盤から見え隠れしてたけど、その割に対応が冷たかったりして、いまいち盛り上がりきれなかったし。ツンデレってあまり好きなジャンルじゃないんよなー。
進みそうで全く進まないジリジリ戦法。思った以上に進展に時間がかかった。
焦れキュンとか好きな人はハマりそう。
そのかわり、抑えに抑えた想いが爆発するみたいなキスシーンが情熱的で良かった。
ラブラブになってからは大変甘くて良かったけど、スイートな期間って話数としてはほんとに短かった……つかの間の幸せすぎる。

物語は途中から復讐の応酬になっていくから、見てて呆れる部分も多かった。
起こってしまった不幸な事件は、半分は悲運だとしても、半分は自分たちが引き起こした結果だと思う。同情しきれない。
中国ってやたらと復讐モノ多いイメージだけど、そういうお国柄なのかな?

李峋の仕返しはいつも派手で衆人環視の中だったのは、プライドの高さ所以なんだろうな。
特に方志靖をぶん殴るのなんて、何も壇上でやる必要はなかったはず。むしろ裏でやった方が、人に止められることもなかったのに、人前で方志靖がボコボコにされるのを見せつけたかったんだろう。いつだって勝ち負けをはっきりさせたい男。

朱韻はまたタチが悪くて、負けず嫌いなくせして、自力でやり返せないからと人の力を借りることが前提だし。
結果的に終わらない泥沼復讐劇となったのは主役二人のせいでもあるから、そのあたりは擁護する気になれない。

話は二転三転するし面白かったけど、主役二人はあまり好きじゃないという、稀有なドラマだった。
あ、でも李峋はかなりのイケメンさんだったから目の保養ではあった! というかあれだけの美男じゃなかったらさすがの朱韻も惚れなかったと思うで。
性格はともあれ、顔は好き(身も蓋もないが)! 
心を閉じていた男と自分を見失いそうだった女が、支え合える相手に出会えたってのはドラマティックでええよな。ただ二人とも未熟で闘争本能が強すぎるだけなんじゃ。あんなこじれてしまったのは。

終わり方は一応ハッピーエンドだったけど、ちょっといい加減な感じがしたから、あまりすっきりできなくて残念。あれで良かったんか??? ビタースイートエンドなんか?

ネタバレ感想

結局最初から最後まで自分本位な話だったなー……。
自分の感情で周りを振り回す二人だった。いや、考えてみると登場人物割とそういう人多かったな。
やられたらやり返さないと気が済まないし、人には頼りっぱなし、あるいは利用しっぱなし。
最後は高见鸿の病気もあって何となく丸く収まったけど、あれがなかったら更なる闘争に突入していたんじゃないかと思う。
サイバー飛揚の社名勝手に変えたのはエッと思ったし、田修竹はフェードアウトで最終話出てこないし、都合の良い駒みたいな扱いだった。

両親の件は全然解決しないまま終わったけど、あれで良かったんか?
最後の話し合いの時(映ってないだけであの後も話し合いはあったと思いたいが)、李峋が言うだけ言って勝手にいなくなるところが全然変わってなくてがっくりきた。あの状況で朱韻を置いていくの、ありえんやろ。
朱韻は朱韻で、李峋と親が話してるのを困ったように見てるだけなの、何?
自分の親なんだから自分がまず説得すべきじゃないの?
その後日談も無いまま入籍シーンに移行してしまって、祝福して良いのやらモヤモヤしてた。
いや、オカンが100%正しいとは思わないんよ。頭硬すぎ、視野狭窄すぎるし、30近い娘の選択は尊重せえよと思うけど、にしても李峋の社会性の無さは大して改善してないんだなと思ってしまう。アラサーであれは不安になるのも無理ないでしょ。

結構夢中になってみてたはずなのに、見終わって愚痴ばかり出てしまうのはなぜなのか……。

作中で一番いいやつって任迪と修竹兄さんじゃん? 明らかに……
二人とも困ったときに手を差し伸べてくれて、気持ちを聞いてくれて、最高の友人なのに、その優しさにどれだけ返した? 頼るだけ頼って、一方的だったように感じてしまう。

任迪には金城よりいい男とくっついてほしいと思ったけど、結局選んでしまうんだなあ……いずれ離婚しそうと思ってしまうけど。
修竹も朱韻が一番つらい時に支えてくれて、無償労働してくれて、何も見返りを求めないで一緒に嘘までついてくれた。絶対いい人見つけて幸せになってほしい。

舒苗は…彼女もかなり自分本位なキャラだったから、割とどうでもいい枠。
サブキャラで一番輝いていたのは方志靖かな。作中屈指の悪役としてあの手この手で陰謀を企てては失敗し、見事なまでのやられ役っぷり。しかも全然めげない。悪役の才能がありすぎる。
最終話でも捕まってて大笑いした。何回悪事暴かれてんねん!

徐黎娜と高见鸿は、別れなかったことが良い選択なのかは分からないけど、もし闘争から完全に解き放されたなら、それなりに穏やかな半生を送ることもできるのかなあ……これから打ち込めるものがなく、もう友達もいないのだとしたら、物悲しい未来しか想像できないけど。
见鸿は大学時代に李峋から離れなかったことが最大の間違いだったし、李峋も见鸿を傍に置くことで苦しめ続けたのは最大の罪だと思う。

間違いだらけの青春と青年時代を過ごして、ようやく自分の愚かさに気づく、そんな作品だった。
すんごく面白かったけど、後味が微妙な話でもあったかな。人に勧めるかどうかは迷う。非常に

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