墨雨雲間~美しき復讐~ 登場人物・感想 / 美しいかどうかは諸説あり

3.0

あらすじ

薛芳菲は沈玉容と愛し合う夫婦だったはずが、不貞の濡れ衣を着せられた上に殺されることに。奇跡的に一命をとりとめ、中書令の娘・姜梨に救われるも、姜梨は不遇の中で命を落としてしまう。
10年近くも家族と離れて暮らしていた姜梨に成り代わった薛芳菲は、姜梨と自身の恨みを晴らすべく復讐を決意する。偶然居合わせた蕭蘅とは、一風変わった協力関係を築きながら理解し合う仲となる。

登場人物

薛芳菲 / 姜梨 演:呉謹言
沈玉容の妻だったが、裏切られ復讐を誓う。
故郷では有名な才女で、学があり琴の達人でもある。芯が強く、目的のためには手段を選ばない。

蕭蘅  演:王星越
粛国公。皇帝の側近であり幼馴染でもあり、お互いが唯一心を許せる間柄。冷徹で人と馴れ合わない性格から恐れられている。両親を幼い頃に亡くしており、罪人と扱われたことからわだかまりとなっている。偶然出会った姜梨に興味を持つ。

沈玉容 演:梁永棋
薛芳菲の夫。仲睦まじい夫婦だったが、権力に屈し妻を手にかける。科挙で状元(1位)となった才人で、高い知性と心の弱さを併せ持つ。

姜梨 演:楊超越
中書令の娘だが、幼い頃継室に陥れられ、長く貞女堂(修道院のような場所)で暮らしていた。心根が優しく死にかけの薛芳菲を救うが、虐待により無念のうちに命を落とす。

桐児 演:艾米
姜梨の侍女。姜梨と共に貞女堂で暮らしており、姜梨亡き後は薛芳菲の姜梨成り代わりに協力する。

婉寧長公主 演:李夢
皇帝の異母姉。沈玉容に一目ぼれし、支配下に置いて愛しながらも苦しめる。
代国の捕虜だった時期があり、劣悪な環境で辛酸を舐めた経験から、皇帝もあまり強く出られない。

洪孝帝 演:曾柯琅
大燕の皇帝。まだ年若いことから力の足りない部分があり、悪吏に苦労している。
蕭蘅と麗妃だけが心の支え

成王 演:楊智斌
洪孝帝の異母兄で、婉寧長公主の実兄。北方の国境を守っているが、ひそかに王座を狙う。

麗妃 演:孫晶晶
皇帝の妃で、季淑然の妹。皇帝から寵愛を受けている。

姜元柏 演:蘇可
姜梨の父。継室である季淑然の言うままに姜梨を遠ざけた。

季淑然 演:陳喬恩
姜元柏の継室で姜梨にとっては継母。優しく寛大にふるまっているが実は腹黒い。我が子のために邪魔な姜梨を追い払うことに成功する。

姜若瑶 演:劉些寧
姜元柏、季淑然の娘。両親の愛情を独り占めしていたが、突然現れた異母姉・姜梨に苛立つ。

姜老夫人 演:劉雪華
姜元柏の母。姜梨を思いやるが、息子である姜元柏を尊重するため、強い態度に出ることはない

姜景睿 演:何奉天
姜梨の従兄。能天気な変わり者だが、一家で孤立しがちな姜梨にもこだわりなく近づき親しくなる

葉世傑 演:陳鑫海
姜梨の従兄。姜梨の亡くなった母方の親戚。秀才で人と群れない性格だったが、成り行きで行動を共にするうちに姜梨に惹かれてゆく。

柳絮 演:湯加怡
御史中丞・柳文淵の娘。弓の名手だが勉強はからっきしで、授業中も寝ており周りに敬遠されている。姜梨と親しくなる

李仲南 演:張壘
姜元柏の政敵。成王のために暗躍する。

李謹 演:張耀
李仲南の次男。兄・李廉より賢く、父の右腕として働く

司徒九月 演:趙晴
一風変わった治療を行うが腕は確かな自称「毒医」。蕭蘅に片思い。

周彦邦 演:王子睿
姜梨の元婚約者。現在は姜若瑶の婚約者だが、姜梨を一目見て気に入る

薛懐遠 演:湯鎮業
薛芳菲の父。薛芳菲が殺されるとほぼ同時期に冤罪で殺されるが、後にその真相が明らかになる

薛昭 演:張鎬濂
薛芳菲の弟。薛芳菲が殺された日に姉を守ろうとして殺されるが、後にその真相が明らかになる

ネタバレなし感想

どうにも好きになれないヒロインだった。
復讐って中国ドラマだと鉄板ネタだけど、正直感覚の違いというか、そこまで胸がすく感じはないのよね。復讐の行きつくところは復讐の応酬しかないわけで、そこに正義もなければ美学もない。
復讐にこだわる人間の表情って基本的に醜いから、美しき復讐者なんてものは存在しないと思う。復讐のために次々と人を陥れ、偉そうに説教をかますヒロインに割と早い段階で嫌気がさしていたけど、王星越の顔が良かったからどうにか見れた。王星越、化粧濃かったし演出過剰気味だったけど美男ではある。

姜家でチマチマ継母や異母妹とやりあってるあたりは心底どうでもよかったし、良家の子女が集まるはずの学校でのやりとりがあまりに幼稚なのには辟易したけど、舞台が王宮に移るあたりからは割と見れる感じになった。
薛芳菲は頭がキレる設定だったけど、なんでうまくいく? みたいな無茶な策も多かったし、場当たり的な行動も多かった。蕭蘅が助けなかったら何回か死んでる。基本的に「捨て身」しか攻撃スキルがない。
というところもあって、知恵比べが楽しめる作品ではないかも。
復讐モノが三度の飯よりも好きな人、あるいはクールな役柄の王星越を楽しみたい方にはお勧めできる。

最終回のラストシーンが不評なのを見かけたけど、確かにつまらない。あのラストで喜ぶ層っているんだろうか? 陳情令と似たような、雰囲気エモを作ろうとして全然できてない感じの終わり方で消化不良。
ほんとに……ほんとに復讐に始まり復讐で終わった……幸せなシーンとか心洗われるようなシーンとかほぼなかった……。清々しいまでに一貫している。

結局のところ人間とは、己が生き抜くためならばいくらでも残酷になれる生き物だ。
それを伝えたい作品ではないだろうけど、復讐モノを見終わった感想は結局ここに行きついてしまうな。

ネタバレあり感想

婉寧長公主は救いようのない人間だったな。過去の惨劇で心が歪み、まともに人を愛することも愛されることもできずに死んだ。沈玉容は割とお似合いだったのではと思う。自分のために他人を犠牲にするところがよく似ている。
でも薛芳菲とて復讐のためなら人を陥れることができる人間だから、なんか胸糞の悪い話だった、という結論になってしまうかも。

ヒロイン不遇系の作品だとどうしようもない男に描かれがちの父親だけど、姜元柏はかなりまともな人間だったし、無能でもなかった。
娘が成り代わっていることにはちゃんと気づいていたし、我が子を守ろうとする気概も、権力図を読み取り自分のなすべきことを理解する能力も、情義に応えて国王を守る胆力も持ち合わせている。
それだけに、薛芳菲から好き勝手に扱われるのはあまり良い気分ではなかったし、薛芳菲に嫌な印象が残った。
確かに幼い姜梨を遠ざけたのは全く意味が分からなかったし、その後連絡しないのも心が無さすぎるけど、十分にその報いを受けたと思う。

というか、たまたま直近で見た安寧録も小さい頃の言動を咎められて家を出される展開があったけど、あり得ない展開すぎないか……?
子供のすることに対して、大人が本気で責め立てて家を追い出すとか正気を疑うんだけど。設定に無理がありすぎる。これで親がまともなわけない。安寧録は父親がポンコツ寄りだからまだ分かるけど、これだけ有能な父親がその選択をするのは納得ができない。
そういうところもご都合主義を感じてしまったな。

なんでか完走できてしまったけど、王星越くらいしか見どころがなかった。
あ、曲はいくつか好きなのあった。男女のデュエットのやつと、前半で出てくる琴の演奏。いまだにちょくちょく聞いてる。

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