あらすじ
羅十一娘は側室の母が不遇な扱いを受けるのを見てきたことから、自分は手に職をつけて結婚に頼らない生き方をしようと考えていた。
しかしある日突然に母が謎の死を遂げ、犯人を必ず突き止めようと心に決める。
手がかりを期待して、元々は気乗りしなかった縁談を受け入れ徐家の正室になるが、夫にはすでに三人の側室と子供がいた。初めはお互いに強い興味のなかった夫婦だったが、家の中に起こるさまざまな事件を解決する中で、すこしずつ惹かれ合ってゆく。
登場人物・キャスト
羅十一娘 演:譚松韻(タン・ソンユン)
側室の母から生まれ、結婚より自立した生活を望むしっかり者。刺繍が得意。
わけあって徐令宜に嫁ぎ、初めは仕事のように割り切った関係だったが、数々の難局を乗り越えるうちに信頼関係を築いてゆく
徐令宜 演:鍾漢良(ウォレス・チョン)
永平侯。十一娘の夫で将軍、徐家の屋台骨。亡くなった正室が一人、側室は三人いるが誰のことも愛していない。
生粋の武人かと思いきや、冷静で頭も切れる文武両道。
はじめは十一娘にも大して興味はなかったが、賢く優しい姿を見るうちに惹かれ大切にする
喬蓮房 演:何泓姍(ハー・ホンシャン)
徐令宜の三人目の側室。徐太夫人の従妹の娘で、小さなころから令宜のことが大好き。
顔が可愛く愛想も良く、義母のご機嫌とりが上手く、家柄も良いので次の正室と目されていたが、わけあって側室にされてしまう。
正室の十一娘をあの手この手で陥れようとするが、若いせいか爪が甘い。
徐太夫人 演:吳冕(ウー・ミャン)
令宜の母。人柄は悪くないが、古い価値観と慣習を重視するがゆえに頭が堅い。喬蓮房がお気に入りで、うまく利用されていることに気づかない。
文夫人 演:刘芸(リウ・ユン)
令宜の側室で、息子が一人いる。実家は裕福な商家
秦夫人 演:李晟(リー・チェン)
令宜の側室。元々は侍女だったが、太夫人に賢さを買われて側室となった。
物静かで、側室バトルも基本は静観している。子供好きだが実子はいない
林世顕 演:唐暁天(タン・シァオティエン)
十一娘に一目惚れしてしつこく助けてくれる当て馬。実は区家の息子だが、実家との折り合いは悪い。
冬青 演:丁洁(ディン・ジエ)
十一娘の侍女兼幼馴染。子供っぽい性格
琥珀 演:孫雪寧(スン・シュエニン)
十一娘の侍女。賢くて気が利くが、何かを秘めている様子
徐令寛 演:崔尔康
徐令宜の弟。有能な兄には頭が上がらない。
芸術をこよなく愛し、政治にも武術にも興味がない。妻のことは愛している
丹陽姫 演:李芸
徐令寛の妻。甘やかされて育ったわがまま姫
傅臨波 演:郑好(ジェン・ハオ)
徐令宜の副将
羅夫人 演:方曉莉(ファン・シャオリー)
十一娘の嫡母。権力を維持するために策を巡らせ、側室を冷遇する
羅元娘 演:穎兒(インアル)
十一娘の長姉。徐令宜の正室だったが、病で亡くなる
羅二娘 演:孙佳奇
十一娘の姉。側室の娘。意地悪な性格で十一娘に嫌がらせを繰り返すが、次第に転落してゆく
羅五娘 演:虞朗
十一娘と親しい姉。貧しい文人と結婚し、つつましく生きている
羅振興 演:趙崇越(チャオ・チョンユエ)
十一娘の長兄。誠実で頼りになる
区当主 演:馬少驊
靖遠侯。徐家とは対立している
区励行 演:任宇
徐令宜の政敵とその夫人。林世顕の兄。父からあまり評価されていないことを不満に思っている。めげない性格
頂怡真 演:彭杨
令宜の亡き兄の妻。知性と判断力ある賢夫人
ネタバレなし感想
妾腹の女主が政略結婚をして、徐々に本当の夫婦になる話。
女主が賢く性格も良くどんな事件もさくっと解決していくので、気持ちよくみられた。
基本的には何でもうまくいくし、女性キャラがやたらと転んで男に抱き留められる、お姫様抱っこなど少女漫画的表現が多い。
そういうものと割り切って楽しんだ方が良さそう。さすがにちょっとしつこいしわざとらしいと思う時もあるけど……
女主は明蘭のように知性で強く生き抜くたくましい女性だけど、目的のためには手段を選ばない烈女の片鱗を見せていた明蘭よりは人情家寄りな感じ。思い切りは良いけど冷徹ではない。
まだ若いのによくできた娘さん。女優さんは実際は30くらいだったっけ。年の割には幼く見える方だけど、キャラが落ち着いているせいもあって、若妻っぽさは足りなかったかも。役柄はたぶん十代後半から二十歳くらいだと思うけど。
割と好きなタイプだけど、あまりにも計略がうまくいくので、そうはならんやろと思った部分もある。
旦那様が素晴らしくいい人だったことが人生最大の幸運だと思う。多少の無茶は阿吽の呼吸でカバーしてくれるからね。
結婚で運命を左右されるより、手に職を持つことを望む賢い女の子の成功譚という形をとっているけど、結果的には必ず守ってくれるスーパー旦那様を楽しむ作品になってしまっているのが奇妙な皮肉。寛大な旦那様に許容されないと仕事できないしな……。
旦那様は強くて優しくて真面目だけど異性にはちょっと不器用で、一度愛したら何があっても絶対に信じて守ってくれる理想の夫像。特別好みではないウォレス・チョンもかっこよく見えるくらい素敵な役だった。
にしても実年齢40代中盤なのか。お肌綺麗やな。それとも映像技術のおかげか??
夫の方が先に恋しはじめるけど、妻がまだその気になれない時は無理に愛情表現してこない紳士。でも同じ寝台で寝たがったり、贈り物をしてみたり、もらった靴を大事にしてたり、健気で可愛い。
大人の包容力と初々しさを両方見せてくれる。
皆さん同じことを書いてらっしゃるけど、明蘭とかなり設定が被っている。
・主人公が妾腹の子で、恵まれない立場にあったが、結婚で高い地位を得る
・母の死の謎を探る
・側室育ちの意地悪な姉がいる
・男主は他にも妻子がいる
・男主の方が先に女主に惚れて、一途に守ってくれる
・女主に恋が芽生えるのが遅い
・持ち前の賢さでどんな事件もずばずば解決
・一芸に秀でている
・非の打ちどころのない当て馬がいる(ふられてからも一途に女主を助けてくれる)
明蘭の方が陰惨で救いのない世界観だった気がするけど(とにかく不幸な女と拷問が多い)、こちらはもう少し明るい感じ。ジェネリック明蘭。
金切り声でわめきたてる系の女キャラが少なかったからかな。世界観は相変わらず理不尽なんだけど、割と理性的なまともキャラも多くて見やすい。
すでに側室が3人もいる夫だけど、あまりにも側室に無関心すぎて、もう少し構ってやれよ……と逆にかわいそうだった。
主要人物以外で好きだったのは区夫婦。悪役ではあるけど、ディズニーのヴィランズみたいな愛らしさがある。悪略が絶対に成功しないという謎の安心感。どんなに失敗してもめげないの、一周回って健気に思えてくる。ポジティヴの鬼か。
あと夫婦仲良しで可愛い。夫人の変な髪形が気になり続けていたが、もはやそれすら愛おしい。
ネタバレ感想
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政治はともかく、家の中の事件についてはおおむね太夫人が元凶だった気が。
喬蓮房が何度あやまちを犯しても許し続けたのはどう考えてもおかしいし、秦夫人には堕胎させておいて「あなたを可愛がっていた」とかよくも言えたな?
十一娘がトラブルを解決すると、その場では大喜びしてお礼を言うけど、次の事件ではまた十一娘に厳しい態度を取るから、とりあえず態度を一貫してくれと思っていた。老人だから記憶力が死んでるんか?
十一娘に仕事をやめろと言うのは当時の世界観的に分からなくもないけど、それ以外は概ね理解しがたい言動が多かった。
老いては子に従えだよ。
意外だったのは、最後の事件で突然十一娘の味方に回ったこと。「ほら見ろ、何度もやめろと言ったのに、とうとう仙綾閣が災いの種となった」とか言って責めるとばかり思っていたのに、徐家命だった人が徐家を危険にさらしてまでも十一娘を救おうとするのは、どうも納得がいかなかった。他の丹陽姫あたりは味方してくれると思ってたけど。
大団円にしたいんだろうなあ、と白けてしまった。
というのも、そもそも視聴者である私自身、十一娘の終盤の行動には納得いってなかったから。
工房に執着し過ぎて、大局を見れないところがイライラした。
明蘭が優れていたのは、ふさわしい時を見る能力。十一娘にはそれがない。だから見え透いた罠にもハマる。
あの暗号を解読できる兄、さすがに無理あるやろと思ったけど、いざという時頼れる家族がいるだけ良かったよね。そういえば明蘭でも長兄は父よりも頼りになる人だった。そんなとこまで似てるな。
およそ否の付け所がなさそうに見えるのに、肝心な時に頼りにならない当て馬とか……。
嫌がらせばかりしてきたのに、なぜか最終話では和解っぽくなってる姉上もね。
本当に思い返せば全体的な構成が似通っている。そしてだいぶ安直になっている 笑
ちまちま事件が起きてはあっさり解決してゆくジェネリック明蘭。
ただ、人に勧めやすいのはこっちかも。明蘭は確かに面白いけど、納得いかねえみたいなことも多すぎるし、とにかく嫌な奴が多くてストレスが溜まる。主人公のやり口もちょっと周到すぎて引くときあるし。
元々中華ドラマが好きな人や、ドロドロが好きなら明蘭、とっつきやすさならこっちかな。
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